GIOSミストラルの部屋、BB(ボトムブラケット)交換

沖縄の配送型レンタサイクル、ノレジオサイクルです

今回はカードリッジ式BB(ボトムブラケット)の交換方法、注意点などを説明していきます


ノレジオサイクルで使用しているミストラル、プルミーノはBB(ボトムブラケット、以下BB)を交換しています(納入後、未走行から)

理由はノーマルに使われているBBの耐久性や回転に不満があるから!

5、6年くらい前のミストラルはnecoというメーカーのカードリッジ式BBが使われていましたが

(その前はカップアンドコーン式だったようです、プルミーノは2018年もカップアンドコーン式でした)

2018年モデル辺りでシマノのBBーUN100に変わりました(その前にはまた別のメーカーのものらしい)

軸長はノーマル123mmです

このUN100、回転自体はそこそこで一般使用に問題は無いのですが両ワンが樹脂製という製品で、後々BBの寿命が来て外そうとすると外すのが不可能になりそうな代物です

(ちょっと上?グレードのBB-UN26は左ワンだけが樹脂製で数年で割れると言われてます)

もともと新車時のBBは過剰に締まっていることも多く外すのに苦労するBBですが(流れ作業で緩むよりはクレームが少ないので締め過ぎが多い)

実際には時間が経つとフレームに固着するので外すときには締めるトルクよりも大きな力が必要になります

しかし樹脂製となると掛けられるトルク(力)も限られていますので、まだ固着していない新車時でもかなり神経をつかって工具がハマる溝を壊さない様に作業しないと大変なことになるのです

特に右ワンを壊した場合は最悪です(左ワンなら何とか削ったり割ったりできそうですが)

無理やり外そうにも壊そうとしようとしてもノコやらドリルなどの工具が入りませんので外しようが無くなりますので交換する方は注意してください

実をいうとウチの3台を作業中、1台危うく失敗するところでした

工具はしっかりと嵌めて作業します(ここがポイント!)

写真の様にBBを外す工具をクランクを取り付けるボルトで押さえますが、そのままだと工具を押さえられないので間にカラーやスパナでもいいので間に挟みます

ボルトは手締めで構いませんがシッカリと締めます(逆に工具は使わない)

そうそうこの作業の前、クランクを取り外す必要が有りますが、このクランクを取り付けているボルトがまた、ものすごく硬く締まっていますので注意が必要です

以前の普通のボルトタイプのクランクボルトはそれほどではありませんが、今よくある六角ヘキサタイプのボルトはきつく締まっています

普通の六角レンチにパイプなどで延長では緩まないかもしれません

(私も3台中の1台で諦めかけるほど締まっていました)

六角の穴を壊すとすごく大変なことになりますので、緩みそうにない場合は良い工具を買ってくるか、自転車屋で緩めてもらった方が良いです


BB取り外し工具を付けて左ワンから外しますがこちらは通常ねじと同じ時計と反対周りで緩みます

ちょっと緩んだらBB外しをとめてるクランク取り付けボルトを緩め、右ワンを緩め、ボルトを緩めを繰り返して、硬くなくなったらクランクボルトを外して右ワンを取り外します

右ワンは逆ねじなので時計回りで緩みますので注意してください

こちらはクランクボルトは緩めなくても一緒に軸も付いてきますので大丈夫です

BB外しを回す工具はメガネレンチが安定しますが普通この大きさは持っていないし、値段も高いので私はモンキーレンチ300mmで慎重に作業します、その他ボックスレンチにハンドルでも良いですがボックスのサイズは1/2、ハンドルは750mm以上などの長いものでないと力が足りません

(よくある3/8サイズだと力が足りないし安物ラチェットだと多分壊れます)

なんにせよ工具が外れて怪我や車体を傷つけない様に注意しましょう

(どうしても外せない場合は壊す前に自転車屋で外してもらいましょう、山を壊してからではかなりやばいです)

BBが取り外せましたらBBハンガーの中をきれいにします

(樹脂製ワンが付いていた場合は樹脂の削りカス、走行後は細かい砂などが噛んでいるときも有ります)

ねじ山が潰れていないかチェックしましょう

(特にアルミフレームはねじ山がささくれてとがっていることが有りますので指を怪我しない様にしてください)

キレイにした後は取り付け前にねじ山部分にグリスを塗ります

ねじ山を痛めないようにするのと噛みこみ防止、そして後々外すときにきちんと外せるよう固着防止です(グリスは何でも良いですが、55-6などの浸透潤滑剤は固着には意味が有りませんので注意です、私はウレアグリスだったりモリブデングリススプレーを使用しています)

さてここからは組付けです

ノレジオサイクルではQファクターをノーマルよりも狭くするためにノーマル軸長123mmから5mm短い軸長118mmの物に変更しています

これ以上短くするとノーマルFD(フロンドディレイラー)ではインナーギヤに変速できなくなります

118mmでもインナーローでギリギリです、クランクの締め付けやチェーンリングの振れでインナー、ロー時に若干こすれる場合が有りますので軸長を変更される場合はご注意ください

(BBのメーカーなどによっても変わる場合が有ります、ご理解ください)

当店で使用しているのはタンゲLN3922、またはシマノBBーUN55を使っています

回転はタンゲの方がスムーズなのですが、耐久性というか雨などの対候性が劣る恐れがあるのでシマノを実験中です

(雨の走行でフレームに水が溜まりやすいのが原因かもしれませんので、タンゲが悪いと言う訳ではないかもしれません)

クランクを手で回しての空転回数はタンゲ40数回転、シマノ30回転弱(ベアリングの精度と言うよりはダストシールの差かもしれません)

この差が走りで感じ取れるかは難しいです

ちなみにBBがホローテックの場合、良くて10回転くらいですよ(グリスを入れ替えて、取り付けも慎重に調整しての回転です、何も考えず取り付けた場合3回転とかになります)

さて取り付けは右側からです、逆ねじなので注意しましょう

手で締まる所まで締めて、ねじが全部締めこめない場合はもう一度外して、ねじ山を点検してしましょう

初めから工具を使ってねじ込むとBBが斜めに入っていた場合ねじ山を壊してしまい、フレームがダメになります(修正は出来ますが強度的に弱くなってしまいます)

必ず初めは手で絞めます、ねじ山をどれだけきれいにしても途中できつくなることも有りますのでその時には慎重に工具を使って締めこんでいきます

次に右ワンの取り付けですが締めこもうとするとすぐにきつくなることが有ります

BBハンガーの精度が甘いと左右のねじの中心が微妙にずれているかもしれません

(新車時に樹脂製BBを使うのはこういうところも気にしてのことかもしれません)

こういう場合私は右ワンを少し緩めてから左ワンを締めていき、左ワンが締まった処から少し戻して、再度右ワンを締めます

最後に右ワンを締めます(ちょっと言葉だと解りづらいかもしれませんがすみません)

カードリッジ式BBの締め付けは結構きつめな感覚ですが、締め過ぎると回転が重くなってしまう場合が有ります(BBハンガーの精度なのかBBの当たり面の直角度、平面度が影響していると思われますが修正は難しい)

時々、軸を手で回して様子を見ながら締め付けです

緩める場合はゴリゴリしないでスムーズに回るギリギリの所までワンを緩めていきますが戻しすぎない様注意が必要です

(戻しすぎるといつのまにかに緩んできてガタが出ますので注意です)

それでもフレームとBBの相性もあるのか私個人のミストラルにUN55を取り付けたときにはどうしてもゴリゴリして回らず、すぐ緩むので取り付けを断念、タンゲに変えたら硬くなることも無くなりました(今回レンタル用に取り付けたときはゴリゴリなりませんでした)

取り付けが終わったら目視でゆるみが確認できるようにペイントやマジックなどで印を入れておくと一目で緩んでるのが解り便利です

BBはもっとも力が掛かる場所ですので此処の回転が良くなると走りが軽くなりますよ

0コメント

  • 1000 / 1000